今回も表題の通りなのですが、下述する ndppd を使わない場合、前提条件があります。それは、ルータが kvmホスト下の IPv6 ネットワークへのルートを保持できることです。具体的には、IPv6 でスタティックルートを設定できること、 もしくは ルータが ripng などを喋り、kvm ホストが virbr0 下のネットワークを広報するなどです。また、ndpproxy (ndppd) を使う方法もあります。ndppdを使う場合は下述のように ndppd の設定だけで外部と接続できますので、IPv6 Router上での lan側インターフェースのアドレスを固定にしてスタティックルートを設定する必要もなく、また、kvm host の lan側アドレスを固定にする必要もなくなり設定としては一番簡単ですが、今回は動作について最も解りやすいスタティックルートの例で説明したいと思います。 まずはじめに、ネットワークの構成についてです。パブリックな IPv6 が使用できる環境ではルータ以下の端末に一般的には /64のアドレスが割り当てられているとおもいますが、/64のサブネットを別に用意することは通常はできませんので、/64 以上の小さなサブネットを用意します。今回は /80 を例にしてみました。図にすると以下のようになります。 IPv6-Internet | | IPv6 Router( lan eno2: 2001:db8:1:a::1/64 ) | | IPv6 kvm host(lan eno1: 2001:db8:1:a::117/64) | | virbr0 (2001:db8:1:a:117::1/80) | | kvm guest (2001:db8:1:a:117::xxxx/80 by dhcp6) この図だと IPv6 Router 上に virbr0 の 80 のサブネット (2001:db8:1:a:117::/80) へのルートを kvm host のアドレス (2001:db8:1:a::117/64) にする必要があります 。(厳密にはサブネットを予約するには、IPv6 Router が radvd で端末にアドレスを取得させるのではなく、dhcp6 でアドレスを配布させる必要がありますが、小規模な環境...