プレフィックス委譲については、OpenWRTの記事は国内では少なく、海外のスレなどでもちらほら散見するだけでした。そこで、今回はOpenWRTでのプレフィック委譲が親ルータから子・孫ルータに対しどのように動くのか検証してみました。また、経路情報はIPv4についてはスタティックではなくRIPv2で配布するようにしました。(2024/06/01追記: IPv6についてはRIPngで配布するようにしました。)こちらもOpenWRTでfrrのripd/ripngdを使う情報はほとんど見当たらなかったのですが、なんとか構成できたので基本的な部分だけですが掲載しています。 なお、インターネット接続環境は、フレッツ光クロス コラボ enひかりクロス V6プラス 固定IPです。 構成は以下の通りです。 子ルーター以下を拡大したものはこちらです。 ほぼ同じコンフィグの子ルータを二つ並べたところ、プレフィックス委譲は正常におこなわれ、子ルータR10にfd98:1:1:10::/60が委譲され、子ルータR20にはfd98:1:1:20::/60が委譲されました。また、子ルータから孫ルータへの/64の委譲もできたので、理論的には(16-1)^2=225のサブネットが構成できることになります。(ただし、実際の運用では出口ROでのIPv4マスカレードが問題になりやすいので注意してください。) 今回はhypver-vを使って子ルータ2台、孫ルータが子ルータに対し各4台接続し計11台(親1+子2+孫2x4)のルータで構成してみたところ、端末間(例えば、vm111-1とvm211-1間)での通信もできました。もちろん、外部への接続も確認できました。 まず、frroutingのインストールです。設定は異なりますが、インストールは親ルータ、子ルータ、孫ルータ共通です。 追記: 2024/06/01 ripngを追加 opkg update opkg install frr frr-zebra frr-ripd frr-ripngd frr-ldpd frr-watchfrr frr-staticd frr-vtysh 続いて、親ルータの設定です。基本的には、 前回の設定 とほぼ同じなのですが、frroutingを導入しホスト名を変更したので、変更部分だけ掲載します。 # /e...