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IPv6 over IPv4 /48 network behind NAT

IPv6 /48のネットワークをNAT配下で構成しました。

Hurricane electric社が提供する、tunnelbroker.netのIPv6 over IPv4サービスを使い、/48のネットワークをNATルータ配下で構成しました。

構成は以下の通りです。

1. 構成の概要
tunnelbroker.netのサービスは、NAT RTのインターネット側のPublic addressで登録します。しかし、NAT配下のため、自動生成されるスクリプトだと動作しません。とはいうものの、変更点は登録したPublic addressをeth0のPrivate address に置き換えるだけです。

また、tunnelbroker.netのサービスは、1アカウントで5つのIPv6 over IPv4サービスを受けることができ、さらにそれぞれ/48のPublic address ネットワークをassignしてもらえます。図のeth1は、例として/64を一つ割り当てているだけですが、アサインしてもらった/48のPublic addressを自由に設定することもできます。

2. 注意点:IPv6 MTUの設定値
筆者の環境の場合、NAT RTのIPv4のMTUは1500です。このため、IPv6 RTのIPv6 MTUは1500-20=1480になります。

IPv4のMTU値から20を引けばよいのですが、環境によりこの値がかわります。

たとえば、NTT西日本のフレッツ光ネクストの場合、1454以下に設定する必要があるとのことです。 http://qa.flets-w.com/faq/show/2473

もし1454で設定されていることが確認できれば、IPv6のMTUは1454-20=1434となりますので、注意してください。

3. IPv6 RTの設定
3-1. Create Regular Tunnel
tunnelbroker.netで登録をすませると、User Functions -> Create Regular Tunnelというメニューがあり、クリックすると「Create New Tunnel」の画面になります。ここでIPv4 Endpoint(yousr side)に NAT RT のパブリックIPv4 addressを入力し、Available Tunnel Server から、サーバーを選択し、[Create Tunnel]をクリックします。

3-2. MTUの設定
Tunnel Detailsの画面で、[Advanced]タブをクリックすると、Default 1480となっているので、環境に合わせて値を変更してください。

3-3. /48のアサイン
IPv6 Tunnel タブの[Routed /48]の項目に [x] がありますので、そこをクリックするだけでOKです。

3-4. Example Configurations
Select Your OSの項目をクリックすると、いろいろなOSでのサンプルがでてきますのでご自分のOSにあわせて選択してください。Linuxだと最も汎用的なスクリプトはLinux-route2だとおもいます。追記:10.10.10.xはパブリックIPアドレスの例です。

例:
modprobe ipv6
ip tunnel add he-ipv6 mode sit remote 10.10.10.1 local 10.10.20.1 ttl 255
ip link set he-ipv6 up
ip addr add 20xx:123:4567:89ab::2/64 dev he-ipv6
ip route add ::/0 dev he-ipv6
ip -f inet6 addr
3-4. スクリプトにNAT配下のeth0のアドレスを適用
前述の通り、図のeth0のプライベートアドレスをlocal 10.10.20.1の代わりに設定します。また、mtu値を 設定します。たとえば、eth0のアドレスが192.168.1.2でmtuが1500-20=1480の場合は以下の通りです。
ip tunnel add he-ipv6 mode sit remote 10.10.10.1 local 192.168.1.2 ttl 255
ip link set he-ipv6 mtu 1480 up
ip addr add 20xx:123:4567:89ab::2/64 dev he-ipv6
ip route add ::/0 dev he-ipv6
3-5. routed /48 について
アサインされたrouted /48は自由に設定できます。たとえば、20xx:1234:5678::/48が割り当てられた場合、eth1に20xx:1234:5678::から20xx:1234:5678:FFFF::まで自由に設定できます。もちろん/48以下であれば、/56や/60なども割り当て可能です。

例:
ip -6 addr add 20xx:1234:5678:1::1/64 dev eth1
3-6. radvdの設定

(注:RDNSSは IPv6 Tunnel タブのAnycast IPv6 Cachen Name Serverを指定できます)
interface eth1 {
       AdvSendAdvert on;
       AdvManagedFlag off;
       AdvOtherConfigFlag off;
       AdvLinkMTU 1480;

       RDNSS 2xxx:a:b:c::d {
       };

       prefix 20xx:1234:5678:1::/64 {
              AdvOnLink on;
              AdvAutonomous on;
              AdvRouterAddr on;
       };
};

3-7. sysctl.conf
NAT RTが別途IPv6のアドレスをRAしている場合などがあるので、accept_raとautoconfを0に設定しておいてください。
net.ipv6.conf.eth0.accept_ra=0
net.ipv6.conf.eth0.autoconf=0

3-8. スクリプトを各環境にあわせて、設定する。
前述の3-4と3-5をそれぞれの環境にあわせて設定してください。たとえばDebianの場合だと、/etc/network/interfaces.d/{eth0,eth1,he-ipv6} あるいは interfacesに設定してください。以下はトンネルインターフェースの例です。
auto he-ipv6
iface he-ipv6 inet6 v4tunnel
  address 20xx:123:4567:89ab::2
  netmask 64
  endpoint 10.10.10.1
  local 192.168.1.124
  ttl 255
  gateway 20xx:123:4567:89ab::1

追記:ubuntu 1804 bionicの場合、先にifupdown2をインストールしてください。トンネルインターフェースの例は以下のようになります。
auto he-ipv6
iface he-ipv6 inet6 tunnel
  mode sit
  address 20xx:123:4567:89ab::2
  netmask 64
  endpoint 10.10.10.1
  local 192.168.1.124
  ttl 255
  gateway 20xx:123:4567:89ab::1

3-9. Clientの設定
Windowsの場合だと、特に設定することはありません。

4. 設定の確認
設定が済んだら、IPv6 RTを再起動してください。

5.感想
IPv6のReachablityについては、満足のいく結果でした。しかし、Speedテストの結果は、あまり芳しくありません。rDNSなどの設定もできるのですが、あくまでも試用という位置づけなのかな、という感想です。

2020/3月追記:再度、スピードテストの結果、10MB/sec(80Mbps)とフリーの割にはそこそこのスピードがでました。ただし、NAT配下の場合、配下のネットワークがACTIVEであることを、tunnelbroker側から検知できないようで、何らかの方法でTunnelクライアント側から、定期的にどこかにPING6をうつ(例えばCRONでトンネル元にping6を数分置きに1度打つ)など、トンネルをアクティブな状態に保つ必要があるようです。

以上。

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