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mac上のlldbで独自ビルドしたライブラリを参照させてソースレベルデバッグを行う

少し古いのですが、macOS sierra上でOpenSSL098のデバッグをしたいと思いましたが、vanillaな環境では当然ながらdSYMは入手できません。そこで、自前ビルドしたOpenSSL098を使ってlldbでソースレベルデバッグができたので、備忘録として挙げてみました。
追記1:High SierraではdSYMもライブラリと同じパスにインストールすることで対応できるようです。
まず、OpenSSL098をdSYM付でビルドさせます。opensslプロジェクトを選択し、Build Settingsでdsymを検索すると"Debug Information Format"の項目がでてくるので、"DWARF with dSYM File"とします。さらにOpenSSL098を自前ビルドするには、以下の変更が必要です。
# 1. source code内の openssl.xcodeproj/project.pbxprojからx509_vfy_appleを含む行を削除する(viを使うと簡単に削除できます)
# 2. src/crypto/x509/x509_vfy.cの以下の部分をコメントにするかあるいは削除する

#ifdef __APPLE__
#define X509_verify_cert X509_verify_cert_orig
#endif
続いてビルドですが、$t/SourceCache/$p/$p-$v以下にソースコードを展開し、xcodebuildをつかっておよそ以下のようにビルドしました。

export SDKPATH="$(xcrun --sdk macosx10.12 --show-sdk-path)"
export SDKROOT=$SDKPATH
export TOOLCHAINPATH=/Applications/Xcode.app/Contents/Developer/Toolchains/XcodeDefault.xctoolchain
export TOOLCHAIN=/Applications/Xcode.app/Contents/Developer/Toolchains/XcodeDefault.xctoolchain
export sdk=macosx10.12
export i=$SDKPATH
export BD=/Volumes/DEV-01
export BN=16G29
export t=$BD/$BN/BuildRoot
export d=$BD/$BN/MiniRoot
export w=$t/private/var/tmp
export x=$BD/$BN
export DEVELOPER_DIR=/Applications/Xcode.app/Contents/Developer
#export dbshare=/usr/local/share/darwinbuild
export dbshare=/opt/local/share/darwinbuild
export DARWIN_BUILDROOT=$x

# cd $x
# hdiutil attach .build/buildroot.sparsebundle -readwrite -owners on

p=OpenSSL098
v=64.50.6

cd $t/SourceCache/$p/$p-$v

xcodebuild -sdk macosx10.12 SDKROOT=$SDKPATH "ARCHS=x86_64" \
"SRCROOT=$PWD" "OBJROOT=$w/$p/$p-$v.obj" "SYMROOT=$w/$p/$p-$v.sym" "DSTROOT=$w/$p/$p-$v.root" \
"RC_ProjectName=$p" "RC_ProjectSourceVersion=$v" "RC_ProjectNameAndSourceVersion=$p-$v" \
"RC_ProjectBuildVersion=6" "INSTALLED_PRODUCT_ASIDES=YES"  "NEXT_ROOT=" \
"RC_OS=macos" "RC_PRIVATE=/private" "RC_RELEASE=Sierra" "RC_TARGET_CONFIG=MacOSX" \
"RC_XBS=YES" "SEPARATE_STRIP=NO" "UNAME_RELEASE=10.12" "UNAME_SYSNAME=Darwin" \
OTHER_CFLAGS="$OTHER_CFLAGS -msse4 -msse4.1 -mno-sse4.2" install 
ビルドに成功すると$w/$p以下に成果物が生成されますので、以下のようにします。
sudo su
ls $w/$p
# OpenSSL098-64.50.6.obj  OpenSSL098-64.50.6.root OpenSSL098-64.50.6.sym
mkdir -p /usr/local/lib
cp -a $w/$p/OpenSSL098-64.50.6.root/usr/lib/lib* /usr/local/lib/
cp -a $w/$p/OpenSSL098-64.50.6.root/usr/lib/lib*dSYM /usr/local/lib/
mkdir -p /usr/local/include
cp -a $w/$p/OpenSSL098-64.50.6.root/usr/local/include/* /usr/local/include/
次にサンプルプログラムを上述のファイルをつかってビルドします。なお、サンプルコードはこちらから取得しました。ありがとうございます。Thank you!!
(注:サンプルコードは一部編集しています。)

mkdir ~/sslconnect
cd ~/sslconnect

gcc -g sslconnect.c -o sslconnect -L/usr/local/lib -lssl -lcrypto -I/usr/local/include

ワーニングがでますが、実行には問題ないので早速lldbで以下のようにデバッグさせます。
#defaults write com.apple.security.cs.allow-dyld-environment-variables -bool true
#defaults write com.apple.security.cs.disable-library-validation -bool true

DYLD_LIBRARY_PATH=/usr/local/lib lldb sslconnect
(lldb) target create "sslconnect"
Current executable set to 'sslconnect' (x86_64).

(lldb) b sslconnect.c:100
Breakpoint 1: where = sslconnect`main + 418 at sslconnect.c:100, address = 0x00000001000015e2

(lldb) run
Process 10357 launched: '/var/root/sslconnect/sslconnect' (x86_64)
Successfully made the TCP connection to: https://www.google.com.
Process 10357 stopped
* thread #1, queue = 'com.apple.main-thread', stop reason = breakpoint 1.1
    frame #0: 0x00000001000015e2 sslconnect`main at sslconnect.c:100
   97       /* ---------------------------------------------------------- *
   98        * Try to SSL-connect here, returns 1 for success             *
   99        * ---------------------------------------------------------- */
-> 100      int conn = SSL_connect(ssl);
   101
   102      if ( conn != 1 )
   103      {
Target 0: (sslconnect) stopped.

(lldb) s
libssl.0.9.8.dylib was compiled with optimization - stepping may behave oddly; variables may not be available.
Process 10357 stopped
* thread #1, queue = 'com.apple.main-thread', stop reason = step in
    frame #0: 0x00000001000c6b59 libssl.0.9.8.dylib`SSL_connect(s=0x0000000100316110) at ssl_lib.c:875 [opt]
   872
   873  int SSL_connect(SSL *s)
   874          {
-> 875          if (s->handshake_func == 0)
   876                  /* Not properly initialized yet */
   877                  SSL_set_connect_state(s);
   878
Target 0: (sslconnect) stopped.
(lldb)
長々となりましたが、要は
1. ライブラリをdSYM付でビルドして/usr/local/libなどにdSYMを含めてインストールし、既存のライブラリと干渉しないようにしておく。
2. 独自ビルドしたライブラリをつかってプログラムをビルド。
3. DYLD_LIBRARY_PATHでデバッグ対象libraryの場所を指定して lldbを起動。
ということになります。今回は以上です。それでは。

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