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WSL2(Windows11 pro)にてDHCP経由でIPv4とIPv6アドレスを設定する

なにもしていないWSL2ではIPアドレスがコロコロかわり不便でした。仕様なんだろうとずっと思いこんでいましたし、IPv6も設定できないわけではないが面倒だとも...
ところが最近になって、wsl2でバインドするインターフェースとmac addressを指定することができる、IPv6を設定できるというのを知りました。ただしWindows11のみですが...ということは、DHCP経由ではありますが、固定IPを設定できるのでは?とおもいやってみたところ、Windows11ではIPv4/IPv6ともに固定IPを割り当てできたので備忘録として挙げてみました。
2023/04/26追記:なお、IPv6についてはwsl2でsystemdを起動させ/etc/network/interfaces.d/eth0経由でdhcpにてアドレス取得するようにしました。systemdをwsl2で起動させるには、/etc/wsl.confを作成し、以下のようにします。
[boot]
systemd=true
2023/05/16追記:/etc/network/interfaces.d/eth0は今回は以下のようにしました。
auto eth0
iface eth0 inet6 dhcp
次に、仮想スイッチ作成のため、HyperVマネージャを立ち上げます。続いて仮想スイッチマネージャを開きます。ここで新規に仮想スイッチを作成するのですが、
1. 今回は外部仮想スイッチを作成するので、”どの種類の仮想スイッチを作成しますか”では”外部”を選択して仮想スイッチを作成します。
2. 仮想スイッチのプロパティーで名前を今回は WSL2_EXTNL とし、外部ネットワークで接続させたいインターフェースを選択し、OKボタンをクリックします。
仮想スイッチの設定は以上です。つづいて.wsconfigを作成します。場所はMyUserがユーザー名だとしたら、C:\Users\MyUser\.wslconfigで作成します。作成にはnotepadが使えますので以下のようにします。
[wsl2]
networkingMode=bridged
vmSwitch=WSL2_EXTNL
macAddress=aa:bb:cc:dd:ee:ff
dhcp=true
ipv6=true
つついてdhcpサーバでipv4を固定で割り当てるようにします。dhcp serverがisc-dhcp-serverでの場合ですが、dhcpd.confに以下のように追加します。
host myWsl2 {
        hardware ethernet aa:bb:cc:dd:ee:ff;
        fixed-address 192.168.1.117;
}
なお筆者の環境の場合、このネットワークのIPv6プレフィクスレングスは64ですが、DHCPv6でアドレスを割り振るように設定しています。
subnet6 2600:1111:2222:3333::/64 {
        range6 2600:1111:2222:3333::1 2600:1111:2222:3333::ffff;
        option dhcp6.name-servers 2606:4700:4700::1111, 2606:4700:4700::1001;
        host wsl2 {
                hardware ethernet aa:bb:cc:dd:ee:ff;
                fixed-address6 2600:1111:2222:3333::44;
        }
}
  
参考までに/etc/radvd.confは以下のようにしています。
interface enp3s0 {
  AdvSendAdvert on;
  AdvManagedFlag on;
  AdvOtherConfigFlag on;
  MaxRtrAdvInterval 180;

  prefix 2600:1111:2222:3333::/64
  {
  };

};
ここまで設定できたら、serverでdhcpdとradvdを再起動し、クライアント側ではpowershellでwslをシャットダウンさせます。
wsl --shutdown
シャットダウン後、wsl2を起動し、意図したIPv4アドレスとIPv6アドレスが割り当てられているとOKです。
6: eth0: BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP mtu 1500 qdisc mq state UP group default qlen 1000
    link/ether aa:bb:cc:dd:ee:ff brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
    inet 192.168.1.117/24 brd 192.168.1.255 scope global eth0
       valid_lft forever preferred_lft forever
    inet6 2600:1111:2222:3333::44/128 scope global dynamic mngtmpaddr
       valid_lft 86333sec preferred_lft 14333sec
    inet6 fe80::aaaa:bbbb:cccc:dddd/64 scope link
       valid_lft forever preferred_lft forever
なお、Windowsは11 pro 22h2で確認しました。(Windows10では残念ながら対応していないようです。 https://github.com/microsoft/WSL/discussions/9227 より)
今回は以上です。それでは。

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