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BluePill STM32F103C8T6を トリプル USB Serial Converterにする

以前からBluePill(STM32F103C8T6)をUSB Serial Converterにするソースはいくつかあるのは知っていたのですが、CubeProgrammerでターゲットに書き込みができなかったり接続が不安定なものや、また、電源を事前に確保してからでないとUSBシリアルコンバータとしてつかえないものだったのでBluePillでのUSBシリアルコンバータとしての使える実装は公開されていないのかなとおもっていました。しかし、しらべていると、こちらにbluepill-serial-monsterというレポジトリがあり、ビルド・書き込みをしたところ、3ポートともCubeProgrammerでの接続ができ、もちろん、普通のUSBシリアルポートとしても3本同時につかえたので、Debian(ネィティブまたはWSL2)でビルドするまでを備忘録として挙げてみることにしました。

2023/09/24追記:rs232接続ではなく、tx/rxのみ使用する場合、9600等の低速だと、テキストサイズが大きめの場合、残念ながら暴走します。また、同じく、9600等の低速だと、zmodemによるファイル転送はサイズの大小にかかわらず、暴走してしまいます。なおkermitの場合は9600でもファイル転送できました。また、115200の場合はzmodemによるファイル転送は同時に3つ送受信できますが、テキストサイズが極端に大きい場合(例えば8k bytes)暴走します。逆に921600の場合、テキストサイズが100kを超える場合でも暴走しませんが、zmodeによるファイル転送は同時に2つまでしかできませんでした。なお、rs232接続でのテストは行っていません。
使用にあたって当方は責任を一切負いませんので、あしからずご了承ください。追記以上


まず、ツール類を以下のようにインストールします。
sudo apt-get install build-essential gcc-arm-none-eabi binutils-arm-none-eabi git stlink-tools
続いてソースをクローンして、ビルドします。
git clone https://github.com/STMicroelectronics/STM32CubeF1
git clone https://github.com/r2axz/bluepill-serial-monster
export STM32CUBE_PATH=~/stm32/STM32CubeF1
cd ~/stm32/bluepill-serial-monster
make
ビルドに成功すると、およそ以下のようになります。
$ ls -la bluepill-serial-monster.*
-rwxr-xr-x 1 thfs1002 thfs1002  19572  7月  2 21:44 bluepill-serial-monster.bin
-rwxr-xr-x 1 thfs1002 thfs1002 195308  7月  2 21:44 bluepill-serial-monster.elf
-rw-r--r-- 1 thfs1002 thfs1002  55146  7月  2 21:44 bluepill-serial-monster.hex
あとは出来上がったものをBluePillに書き込むだけです。(書き込み方法については本稿では触れません。)
書き込みが済んでBluePillをUSBで再接続するとシリアルポートはおよそ以下のようになります。
$ ls -la /dev/ttyACM*
crw-rw----+ 1 root dialout 166, 0  7月  2 21:28 /dev/ttyACM0
crw-rw----+ 1 root dialout 166, 1  7月  2 21:28 /dev/ttyACM1
crw-rw----+ 1 root dialout 166, 2  7月  2 21:31 /dev/ttyACM2
ピン割り当ては今回の場合以下のようになります。
UART1(ttyACM0) TX=PA9
UART1(ttyACM0) RX=PA10

UART2(ttyACM1) TX=PA2
UART2(ttyACM1) RX=PA3

UART3(ttyACM2) TX=PB10
UART3(ttyACM2) RX=PB11
なお、Windowsの場合、たとえば、COM40, COM41, COM42と割り当てられた場合、Linuxとは異なりCOM42がUART1, COM41がUART2, COM40がUART3になる場合がありましたので、注意してください。
このリポジトリのソースは他にも色々な機能があるようですので、興味がある方はREADME.mdやソースをご覧になってみてください。今回は以上です。それでは。

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