スキップしてメイン コンテンツに移動

STM32F401CCU6 + MicroPython 2機 でI2C通信テストを行う

前回はSTM32F401CCU6にMicroPythonを載せ簡易動作させましたが、今回は同じボードを2枚用意して片方をMasterにもう一方をSlaveにしてI2C通信を行ってみました。
なお結線ですが、SCLがB6, SDAがB7、どちらも5vトレラントのピンなので、2kΩで5vにプルアップしています。
まず、マスターからスレーブにデータを転送する例です。
スレーブ側
from pyb import I2C
SLAVE_ADDR = 0x40
BAUD = 100000
i2c_slave = I2C(1, I2C.SLAVE, addr=SLAVE_ADDR, baudrate=BAUD)
この状態ではslaveはscanにも反応しないので以下のようにして待ち受けさせます。
while True:
    try:
        data = i2c_slave.recv(4)
    except OSError as exc:
        if exc.args[0] == 5:
            # 5 == EIO ( bus scan )
            print("I2C bus scan detected")
        elif exc.args[0] == 110:
            # 110 == ETIMEOUT
            pass
        else:
            print(exc)
    except KeyboardInterrupt:
        break
    else:
        print("RECV: %r" % data)
続いてマスター側です。
from pyb import I2C

SLAVE_ADDR = 0x40
BAUD = 100000

i2c_master = I2C(1, I2C.MASTER, baudrate=BAUD)
i2c_master.scan()

for i in range(63):
    i2c_master.send("%04i" % i, addr=SLAVE_ADDR)
    pyb.delay(100)

成功するとスレーブ側が以下のようになります。
I2C bus scan detected
RECV: b'0000'
RECV: b'0001'
RECV: b'0002'
(中略)
RECV: b'0060'
RECV: b'0061'
RECV: b'0062'
次にスレーブからマスターへ送信する例です。
まずスレーブ側です。
import pyb # for adc

from pyb import I2C
SLAVE_ADDR = 0x40
BAUD = 100000
SENDTIMEOUT = 250
RECVTIMEOUT = 250

i2c_slave = I2C(1, I2C.SLAVE, addr=SLAVE_ADDR, baudrate=BAUD, dma=False)
	
RESOLUTION=12

def send_cpu_temp():
  adc = pyb.ADCAll(RESOLUTION)    
  cpu_temparature = adc.read_core_temp()
  i2c_slave.send(str(cpu_temparature), timeout=SENDTIMEOUT)

def send_vbat():
  adc = pyb.ADCAll(RESOLUTION)    
  core_vbat = adc.read_core_vbat()
  i2c_slave.send(str(core_vbat), timeout=SENDTIMEOUT)

def send_vref():
  adc = pyb.ADCAll(RESOLUTION)    
  core_vref = adc.read_vref()
  i2c_slave.send(str(core_vref), timeout=SENDTIMEOUT)

while True:
    try:
        data = i2c_slave.recv(2, timeout=RECVTIMEOUT)
    except OSError as exc1:
        if exc1.args[0] == 5:
            # 5 == EIO ( bus scan )
            print("I2C bus scan detected")
        elif exc1.args[0] == 110:
            # 110 == ETIMEOUT
            pass
        else:
            print(exc1)
    except KeyboardInterrupt:
        break
    else:
        if data[0] == 0xFF and data[1] == 0x01:
			try:
				print("RECV: %r" % data)
				send_cpu_temp()
			except OSError as exc2:
				if exc2.args[0] not in (5, 110):
					break
			except KeyboardInterrupt:
				break
			else:
				pass
        if data[0] == 0xFF and data[1] == 0x02:
			try:
				print("RECV: %r" % data)
				send_vbat()
			except OSError as exc2:
				if exc2.args[0] not in (5, 110):
					break
			except KeyboardInterrupt:
				break
			else:
				pass
        if data[0] == 0xFF and data[1] == 0x03:
			try:
				print("RECV: %r" % data)
				send_vref()
			except OSError as exc2:
				if exc2.args[0] not in (5, 110):
					break
			except KeyboardInterrupt:
				break
			else:
				pass

マスター側です。
from pyb import I2C

SLAVE_ADDR = 0x40
BAUD = 100000
RES_INT=10
MES_INT=10000
TIMEOUT_RETRY = 5000
DATA_LEN=6

i2c_master = I2C(1, I2C.MASTER, baudrate=BAUD, dma=False)

def print_slave_sensor(param1, param2, unit_label):
    buf = bytearray(2)
    buf[0] = param1
    buf[1] = param2
    i2c_master.send(buf, addr=SLAVE_ADDR)
	pyb.delay(RES_INT)
    data = bytearray(DATA_LEN)
    res = i2c_master.recv(data, addr=SLAVE_ADDR)
    print("%s: %s" % (unit_label, res.decode()))

while True:
	try:
		print_slave_sensor(0xFF, 0x01, "Temp")
		print_slave_sensor(0xFF, 0x02, "Vbat")
		print_slave_sensor(0xFF, 0x03, "Vref")
		pyb.delay(MES_INT - RES_INT*3)
	except OSError as exc1:
		if exc1.args[0] == 110:
			print("ETIMEOUT: Could not read data.")
			print("Waiting for %d ms." % TIMEOUT_RETRY)
			pyb.delay(TIMEOUT_RETRY)
	except KeyboardInterrupt:
		break
	else:
		pass

正常に動作すると、マスター側は以下のようになります。
Temp: 28.518
Vbat: 1.6229
Vref: 3.2912
初めはslave側のtimeoutを秒単位で大きく取っていてマスター側でtimeoutエラーが発生したのですが、slave側のtimeoutを250にするとマスター側でのtimeoutエラーが発生しなくなりました。パラメータの指定はまだ詰める必要はありそうですがとりあえず動いてはいるようなので、良しとしています。
今回は以上です。それでは、Happy coding!

コメント

このブログの人気の投稿

wsdd を使ってSamba サーバをネットワークに表示

Windows 10のアップデートで、セキュリティー対応のため、smbv1がデフォルトではインストールされなくなり、Samba serverがエクスプローラーのネットワークに表示されなくなってしまいました。そこで、いくつか方法を調べたのですが、linuxでwsdの実装がないか探したところ、 https://github.com/christgau/wsdd が、見つかりましたので、さっそくインストールしてみました。まだパッケージにはないようですが、インストール自身は簡単です。wsdd自体は以下のように取得し、linkを張っておきます。 cd /usr/local/bin/ sudo wget https://raw.githubusercontent.com/christgau/wsdd/master/src/wsdd.py sudo chmod 755 wsdd.py sudo ln -sf wsdd.py wsdd こちらのsambaサーバはDebianなので、/etc/systemd/system/wsdd.serviceは以下のようにしました。 [Unit] Description=Web Services Dynamic Discovery host daemon Requires=network-online.target After=network.target network-online.target multi-user.target [Service] Type=simple ExecStart=/usr/local/bin/wsdd -d MYDOMAIN [Install] WantedBy=multi-user.target wsdd -d MYDOMAINのところを、環境にあわせて書き換えてください。 次に、systemdに登録・起動テストを行います。 systemctl enable wsdd systemctl start wsdd 起動に成功すると、エクスプローラーのネットワークに表示されます。  なおこのwsddはpython3が必要です。一度試してみてください。SMBv1/CIFSを停止していても、大丈夫です。 cで書かれたほかのwsddの実装もあるようなので、いずれパッケージになるかも...

Windows デバイス暗号化 のサポートで "許可されていない dma 対応バス/デバイスが検出されました"の対処

Windows でセキュリティー関係を見ているのですが、とあるPCでmsinfo32で確認すると"デバイス暗号化のサポート"で"許可されていない dma 対応バス/デバイスが検出されました"と出ていました。このPCの場合、それ以外はOK(なにも表示されない)だったのですが、ネットでしらべるとMSのドキュメントではハードウェアベンダーに問い合わせるなどと敷居が高く具体的にどこが引っかかっているかわかりません。そこでほかに方法はないかとしらべやってみたところ、"前提条件をみたしています"まで持って行けたので、本稿を挙げた次第です。 具体的には、以下のようにします。 1-a. 許可するDMA対応バス・デバイスを指定するレジストリの所有権と書き込み設定をおこなう。 以下のレジストリキーの所有者を自分自身(管理ユーザ)のものにし、フルコントロール権を付与する。 HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\DmaSecurity\AllowedBuses もしくは 1-b. MicrosoftよりPsExecをダウンロードし、System権限でRegeditを立ち上げ編集する。 Microsoftより、https://docs.microsoft.com/en-us/sysinternals/downloads/psexec にある こちら をダウンロードし、解凍する。解凍すると、x64の場合、PsExec64.exeがあるので、管理者権限で以下を実行し、システム権限でregeditを立ち上げることが出来るようになる。 cd Downloads\PSTools .\PsExec64.exe -sid C:\Windows\regedit.exe 2-a. パワーシェルスクリプトを実行し、PnPデバイスのうちインスタンスがPCIで始まるものを"AllowedBuses"に追加する。 以下のパワーシェルスクリプトを作成する。たとえばDocuments\allow-dma-bus-device.ps1として作成する。( こちらの記事のものを使用させていただきました: Thank you! ) $tmpfile = "$($env:T...

フレッツ光クロス:MAP-E ROUTER by Debian Box (iptables)

フレッツ光クロスがようやく開通したので、Debianにてrouterを構成し接続してみました。なお、プロバイダーを選ぶにあたっては、IPoE方式がそれぞれ異なるため検討したところ、IPoEでは、MAP-Eでもv6plusとocnバーチャルコネクトがあり、前者がポート数240なのに対し、後者は約4倍のポート数が使えるようなネットの情報をみて、OCNバーチャルコネクトを選択しました。(プロバイダーとしてはぷららです。なおDS-LiteはCE側でのNATではないので今回は見送りました。)そこで、OCN バーチャルコネクトをDebian(iptables)で実現するとどうなるかと思い、ネットの情報を頼りにしつつ、設定した次第です。 実際に試した結果、とりあえず通信できていますが、MAP-Eは本来マッピングルールをマップサーバから取得するはずなので、今回のやり方が正解とはいえませんし、仕様変更されると通信できなくなる可能性があります。あくまでも参考程度ですが、本稿をUPしてみました。 2023/03/16追記: こちら にゲームコンソールNAT越え(Nintendo Switch ナットタイプ A判定)対応版を投稿しました。 2023/03/28追記:※1の記述および3行無効化によりNAT越え(Nintendo Switch ナットタイプ B判定)できるようになりました。 構成は以下の通りです。 ルーターがDebianで回線がOCNバーチャルコネクトであること以外はなにも特別なところはない構成です。 さて、いきなり設定ですが、まず、割り当てられたプレフィックスを確認します。 確認は、 dhclient -6 -d -P enp2s0 とします。出力の中に 前略 RCV: | | X-- IAPREFIX 2400:4050:5c71:af00::/56 後略 このようにプレフィックスが表示されるので、その確認したプレフィックスを書き留めておきます。これを こちらで 入力します。すると、 CE: 2400:4050:5c71:af00:99:f171:c600:2f00 IPv4 アドレス: 153.241.113.198 ポート番号:(1776-1791 2800-2815 3824-3839) 4848-4863 5872-5887 6896-...