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RIPE Databaseで IPv6 rDNS用のDomainオブジェクトを作成

表題の通りにするにあたり、前提条件がいくつかあります。まず、DNSサーバーが二台以上必要になります。(なお、RIPEのデーターベースでDomain オブジェクトを作成しようとすると、二台以上で物理的に距離があるもの、つまり、災害/障害に耐えうるようにする旨のメッセージがでました。通常、比較的規模の大きなドメインでの運用と同じなので納得しました。)
正引きDNSサーバに加え逆引きDNSサーバの設定をすませておき、さらに、SOAの設定などを先にすまして起動させておく必要があります。
当方の環境では最低限のDNSおよびrDNS設定を以下のようにし、起動させておきました。
まず、正引きの方です。サーバのIPv6アドレスが二つありますが、今回は2001:db8:ae00:0:5301::1 と 2001:db8:ae00:0:5302::2を使いました。
@       IN      SOA     ns01.example.net.   admin.example.com. (
                                        2024111204; serial
                                        3600    ; Refresh
                                        900     ; Retry
                                        1209600 ; Expire
                                        3600    ; Negativ cache TTL
                                        )
                        IN      NS      ns01.exmample.net.
                        IN      NS      ns02.exmample.net.
ns01                    IN      AAAA    2001:db8:ae00:0:5301::1
ns01                    IN      AAAA    2001:db8:10:1018::a
ns01                    IN      A       WWW.XXX.YYY.ZZZ
ns02                    IN      AAAA    2001:db8:ae00:0:5302::2
ns02                    IN      AAAA    2001:db8:10:101a::a
ns02                    IN      A       AAA.BBB.CCC.ZZZ
逆引きは以下のようにしてみました。
;2001-db8-ae00.40 2001:db8:ae00::/40 rev
$ORIGIN e.a.8.b.d.0.1.0.0.2.ip6.arpa.
@       IN      SOA     ns01.example.net.   admin.example.com. (
                                        2024111202; Serial
                                        3600    ; Refresh
                                        900     ; Retry
                                        360000  ; Expire
                                        3600    ; Negative cache TTL
                                        )
                                                IN      NS      ns01.example.net.
                                                IN      NS      ns02.example.net.
;ns01 2001:db8:ae00:0:5301::1
1.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.1.0.3.5.0.0.0.0.0.0     IN      PTR     ns01.example.net.
;ns02 2001:db8:ae00:0:5302::2
2.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.2.0.3.5.0.0.0.0.0.0     IN      PTR     ns02.example.net.
ごく基本的な正引/逆引の設定は以上です。これでRIPEのrDNS登録の準備はできました。
続いてRIPEでrDNSの登録をこちらの様に行いますが、今回の例では、prefixは2001:db8:ae00::/40としてください。続いてnserverを二つ入力します。サーバ名を入力するとserverのチェックが行われ、動作に問題がなければ"Server looks OK"と表示されます。あとはコンタクト先を複数入力し、最後にCreateボタンをクリックすると、ポップアップメッセージがでて、オブジェクト作成には数分かかる場合がある旨表示されます。
筆者の場合、はじめはパーミッションがない旨のメッセージがでたので、プロバイダさんでチケットを発行したところ、パーミッションを付与し忘れていたようでしたが、付与したとの返信をみて再度登録したところ、"1 object(s) have been successfully created" となり無事作成できました。
最後に動作確認をしますが、digだと以下のようになりました。
dig -x 2001:db8:ae00:0:5301::1 PTR

; <<>> DiG 9.18.28-1~deb12u2-Debian <<>> -x 2001:db8:ae00:0:5301::1 PTR
;; global options: +cmd
;; Got answer:
;; ->>HEADER<<- opcode: QUERY, status: NOERROR, id: 59851
;; flags: qr rd ra; QUERY: 1, ANSWER: 1, AUTHORITY: 0, ADDITIONAL: 1

;; OPT PSEUDOSECTION:
; EDNS: version: 0, flags:; udp: 1232
;; QUESTION SECTION:
;1.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.1.0.3.5.0.0.0.0.0.0.e.a.8.b.d.0.1.0.0.2.ip6.arpa. IN PTR

;; ANSWER SECTION:
1.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.1.0.3.5.0.0.0.0.0.0.e.a.8.b.d.0.1.0.0.2.ip6.arpa. 3600 IN PTR ns01.example.net.

;; Query time: 991 msec
;; SERVER: AAA.BBB.CCC.DDD#53(WWW.XXX.YYY.ZZZ) (UDP)
;; WHEN: Wed Nov 13 17:30:59 JST 2024
;; MSG SIZE  rcvd: 135
基本さえ押さえておけば、Domainオブジェクトの作成はそれほど難しい訳ではないという感じですが、それよりも、RIPEのWeb interfaceは非常によくできているなと思いました。
今回は以上です。それでは。

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