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Debian 12 でIPoIB を設定し NFS over RDMA を試してみる

まずはじめに、IPoIBの設定から始めます。前提としては Mellanox の VPI HCA / RoCE NIC が刺さっているものとします。Debian 12 の場合、Inbox Driver に ib_ipoibがあるのですが、以下のようにすると、ツール類のインストールと同時に再起動時 ib ネットワークインターフェースが認識されるようになります。
 
apt-get install rdma-core ibutils infiniband-diags ibverbs-utils rdmacm-utils perftest
認識されたibインターフェースがたとえばibp1s0だったとします。この場合、Debian 12 netinst の最小構成では /etc/network/interface.d/ibp1s0 を以下のようにします。(connected modeでcpu 8スレッドに受信処理を分散させる場合)
auto ibp1s0
iface ibp1s0 inet static
  address 10.1.40.50
  netmask 255.255.255.0
  post-up echo connected > /sys/class/net/ibp1s0/mode
  post-up echo ff > /sys/class/net/ibp1s0/queues/rx-0/rps_cpus
編集が済んだら、sudo ifup ibp1s0としてください。リンクがアップされるまで少し時間がかかる場合がありますので、注意してください。なお、managed switch なしまたは直結の場合、どこかに opensmを立ち上げる必要がありますが、本稿では触れません。
今回は以下、 nfs サーバ は 10.1.40.50, nfsクライアントは10.1.40.51で小規模なRAM disk (4GB)を共有するものとします。以下 nfs サーバーでの作業です。
# nfs server 10.1.40.50

apt-get install nfs-kernel-server
cp -a /etc/exports /etc/exports.orig
echo '/srv *(fsid=0,rw,insecure,no_root_squash,no_subtree_check)' >> /etc/exports

modprobe -av rpcrdma
# of modprobe svcrdma
echo rpcrdma >> /etc/modules-load.d/modules.conf

cp -a /etc/nfs.conf /etc/nfs.conf.orig

#edit /etc/nfs.conf
-- snip
vers3=n
vers4=y
# vers4.0=y
vers4.1=n
vers4.2=y
rdma=y
rdma-port=20049
-- snip

# /etc/fstabに以下を追加
tmpfs           /srv            tmpfs   size=4096M      0       0

# 編集後以下を実行
systemctl daemon-reload

mount /srv
systemctl restart nfs-kernel-server
eportfs -avr

続いてnfs クライアントの設定を以下のように行います。
apt-get install nfs-common

#edit /etc/fstab
10.1.40.50:/   /mnt   nfs     vers=4.2,proto=rdma,bg     0       0

systemctl daemon-reload

modprobe -av rpcrdma
# or modprobe xprtrdma
echo rpcrdma >> /etc/modules-load.d/modules. 

mount /mnt
 
# インターフェースの UP が遅い場合の対処
# /etc/rc.local (chmod +x)

#!/bin/bash
sleep 120 && mount /mnt

基本的にはこれだけでOKです。
今回は以上です。それでは。

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