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Debian の grub 経由で物理メディアを別途用意せずに Almalinux 10 をインストール

基本的には bootp で diskless インストールするのとあまり変わらないのですが、bootp でファイルを取得するかわりに、ローカルにコピーしたインストール用の vmlinuz と initrd.gzを Debian 側の grub.cfg に記載することで Debianから Almalinuxをインストールできたので備忘録として挙げておくことにしました。
まず、最初に bootp用の vmlinuz と initrd.img を取得し、/boot/以下にそれぞれ vmlinuz-install initrd.img-install として保存します。
wget https://ftp.riken.jp/Linux/almalinux/10/BaseOS/x86_64_v2/os/images/pxeboot/vmlinuz -O /boot/vmlinuz-install
wget https://ftp.riken.jp/Linux/almalinux/10/BaseOS/x86_64_v2/os/images/pxeboot/initrd.img -O /boot/initrd.img-install
次に /boot/grub/grub.cfg を変更します。
### BEGIN /etc/grub.d/40_custom ###
# This file provides an easy way to add custom menu entries.  Simply type the
# menu entries you want to add after this comment.  Be careful not to change
# the 'exec tail' line above.
menuentry 'Almalinux 10 install' {
  linux /boot/vmlinuz-install console=tty0 console=ttyS0,115200n1 inst.repo=https://ftp.riken.jp/Linux/almalinux/10/BaseOS/x86_64_v2/os
  initrd /boot/initrd.img-install
}
### END /etc/grub.d/40_custom ##
次にネットワーク内のどこかに ipv4 dhcpサーバを立てておきます。筆者の環境ではIPv6の自動設定はできているのですが、IPv4 dhcp サーバがないとインストールできませんでした。
続いて、secure boot を ON にしている場合、インストール中のみ セキュアブートを OFF にしてください。(Debian 側の grub が almalinux の 証明書を持っていないので bad shim signature で almalinuxのカーネルを起動できないため。)
準備は基本的にこれだけですので 後は、"Almalinux 10 install" を起動してインストールすればOKです。(セキュアブートを使用している場合、インストールが済んだらセキュアブートをONに戻して起動できることを確認してください。 ) 2025/06/11追記:この方法でAlmalinuxをインストールすると、uefi nvram のブート順が変更されるため、セキュアブートが有効になっている場合で逆に既存のDebianを almalinux上のgrubから起動しようとすると bad shim signature で起動できなくなるので、almalinx 上で efibootmgr を使って uefi nvram を更新する必要があります。
bootpでインストール環境を整えるのは面倒な時に、物理メディアを作成せず気軽にインストール済の他の Linux distro からインストールする方法としては有効かなと思います。
今回は以上です。それでは。

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