スキップしてメイン コンテンツに移動

Samba4: 既存のidmap backedn adなドメインにDCを追加する その1

まず最初に、既存のドメイン・サーバに対してネットワークの疎通があること、IPv4/IPv6ともに名前解決ができていること、既存のドメインコントローラと追加のドメインコントローラの時刻があっていることが大前提で、これは、メンバーサーバ・メンバーマシンの前提条件とほぼ同じです。
具体的には、以前に投稿したドメインコントローラ sv63.mydomain.site, 10.1.4.63に対し、以下の前提条件をクリアする必要があります。

1. 同一サブネットにあること(異なるサブネット間でもネットワークの疎通があればOKですが本稿では触れません。)
2. /etc/resolv.confが適切にnameserver 10.1.4.63のエントリーを持ち、ドメイン情報を名前解決できること。
3. 時刻がntpで同期されていること。(5分以内ならOKということをどこかで読んだ記憶がありますが、ntpで同期させるのが確実です。)

今回は、同一サブネットに追加のidmap backend adのad dcを追加してみましたので、1は言わずもがなOKです。
なお、今回追加するAD DCは
sv64.mydomain.site
ipv4 addr: 10.1.4.64/24
ipv6 addr: 2www:xxxx:yyyy:zzzz::64
としています。
続いて2ですが、メンバーマシン・メンバーサーバと同様に/etc/resolv.confは具体的には以下の様になっていればOKです。
#/etc/resolv.conf
search mydomain.site
domain mydomain.site
nameserver 10.1.4.63
nameserver 2www:xxxx:yyyy:zzzz::63
なお、NetworkManagerがインストールされている環境では、前回同様、手動で以下の様に固定にしてみました。
$ sudo su

nmcli con show

nmcli con mod eth0 ipv4.method "manual"
nmcli con mod eth0 ipv4.addresses "10.1.4.64/24"
nmcli con mod eth0 ipv4.gateway "10.1.4.23"
nmcli con mod eth0 ipv4.dns '10.1.4.63'
nmcli con mod eth0 ipv4.dns-search 'mydomain.site'

nmcli con mod eth0 ipv6.method "auto"
nmcli con mod eth0 ipv6.addresses "2www:xxxx:yyyy:zzzz::64/60"
nmcli con mod eth0 ipv6.method "manual"
nmcli con mod eth0 ipv6.gateway "2www:xxxx:yyyy:zzzz::23"
nmcli con mod eth0 ipv6.dns '2www:xxxx:yyyy:zzzz::63'
nmcli con mod eth0 ipv6.dns-search 'mydomain.site'

nmcli con mod eth0 connection.autoconnect "yes"

ネットワークの設定がすんだら再起動し動作確認をします。これもメンバーサーバ・メンバーマシンの追加の場合と同じです。
ping -6 -c 4 sv63.mydomain.site
ping -4 -c 4 sv63.mydomain.site
$ nslookup sv61.dom01.local
Server:         10.1.4.63
Address:        10.1.4.63#53

Name:   sv63.mydomain.site
Address: 10.1.4.63

$ nslookup
> set type=SRV
> _ldap._tcp.mydomain.site.
Server:         10.1.4.63
Address:        10.1.4.63#53

_ldap._tcp.mydomain.site        service = 0 100 389 sv63.mydomain.site.
続いてntpの同期設定をおこないますが、メンバーサーバ・メンバーマシンとはことなり、最初に導入したFSMOマスタのAD DCの設定と同じにしておきますが、その前に、samba関連とntpなど必要なパッケージは先にインストールは済ませておいてください。
sudo apt-get install ntp samba smbclient krb5-config krb5-user \
winbind libpam-winbind libnss-winbind ldb-tools dnsutils rsync acl \
samba-dsdb-modules samba-vfs-modules 
ネットワークの設定などがすんでいたら、
Modify smb.conf to use WINS settings from DHCP?
ときいてくるので、No/いいえを選択してください。 さらに、 kerberos関連の設定を聞かれたら、
RELM: MYDOMAIN.SITE
と入力してください。
パッケージのインストールが済んだら、まず、以下の様にします。
sudo mkdir -p /var/lib/samba/ntp_signd
sudo chown root:ntp /var/lib/samba/ntp_signd/
sudo chmod 750 /var/lib/samba/ntp_signd/
続いて、/etc/ntp.confを編集します。(再掲)
#以下二行にmssntpを追加。
restrict -4 default kod notrap nomodify nopeer noquery limited mssntp
restrict -6 default kod notrap nomodify nopeer noquery limited mssntp

#以下をファイルの最後の方に追加
listen on 10.1.4.64
restrict 10.1.4.0 mask 255.255.255.0 nomodify notrap nopeer noquery

ntpsigndsocket /var/lib/samba/ntp_signd

tinker panic 0
ここまで出来たら、一旦ntpを再起動させておきます。
systemctl restart ntp
これで前提条件はクリアできました。
今回は以上です。次回は、追加dc設定を挙げたいと思います。それでは。

コメント

このブログの人気の投稿

wsdd を使ってSamba サーバをネットワークに表示

Windows 10のアップデートで、セキュリティー対応のため、smbv1がデフォルトではインストールされなくなり、Samba serverがエクスプローラーのネットワークに表示されなくなってしまいました。そこで、いくつか方法を調べたのですが、linuxでwsdの実装がないか探したところ、 https://github.com/christgau/wsdd が、見つかりましたので、さっそくインストールしてみました。まだパッケージにはないようですが、インストール自身は簡単です。wsdd自体は以下のように取得し、linkを張っておきます。 cd /usr/local/bin/ sudo wget https://raw.githubusercontent.com/christgau/wsdd/master/src/wsdd.py sudo chmod 755 wsdd.py sudo ln -sf wsdd.py wsdd こちらのsambaサーバはDebianなので、/etc/systemd/system/wsdd.serviceは以下のようにしました。 [Unit] Description=Web Services Dynamic Discovery host daemon Requires=network-online.target After=network.target network-online.target multi-user.target [Service] Type=simple ExecStart=/usr/local/bin/wsdd -d MYDOMAIN [Install] WantedBy=multi-user.target wsdd -d MYDOMAINのところを、環境にあわせて書き換えてください。 次に、systemdに登録・起動テストを行います。 systemctl enable wsdd systemctl start wsdd 起動に成功すると、エクスプローラーのネットワークに表示されます。  なおこのwsddはpython3が必要です。一度試してみてください。SMBv1/CIFSを停止していても、大丈夫です。 cで書かれたほかのwsddの実装もあるようなので、いずれパッケージになるかも...

Windows デバイス暗号化 のサポートで "許可されていない dma 対応バス/デバイスが検出されました"の対処

Windows でセキュリティー関係を見ているのですが、とあるPCでmsinfo32で確認すると"デバイス暗号化のサポート"で"許可されていない dma 対応バス/デバイスが検出されました"と出ていました。このPCの場合、それ以外はOK(なにも表示されない)だったのですが、ネットでしらべるとMSのドキュメントではハードウェアベンダーに問い合わせるなどと敷居が高く具体的にどこが引っかかっているかわかりません。そこでほかに方法はないかとしらべやってみたところ、"前提条件をみたしています"まで持って行けたので、本稿を挙げた次第です。 具体的には、以下のようにします。 1-a. 許可するDMA対応バス・デバイスを指定するレジストリの所有権と書き込み設定をおこなう。 以下のレジストリキーの所有者を自分自身(管理ユーザ)のものにし、フルコントロール権を付与する。 HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\DmaSecurity\AllowedBuses もしくは 1-b. MicrosoftよりPsExecをダウンロードし、System権限でRegeditを立ち上げ編集する。 Microsoftより、https://docs.microsoft.com/en-us/sysinternals/downloads/psexec にある こちら をダウンロードし、解凍する。解凍すると、x64の場合、PsExec64.exeがあるので、管理者権限で以下を実行し、システム権限でregeditを立ち上げることが出来るようになる。 cd Downloads\PSTools .\PsExec64.exe -sid C:\Windows\regedit.exe 2-a. パワーシェルスクリプトを実行し、PnPデバイスのうちインスタンスがPCIで始まるものを"AllowedBuses"に追加する。 以下のパワーシェルスクリプトを作成する。たとえばDocuments\allow-dma-bus-device.ps1として作成する。( こちらの記事のものを使用させていただきました: Thank you! ) $tmpfile = "$($env:T...

フレッツ光クロス:MAP-E ROUTER by Debian Box (iptables)

フレッツ光クロスがようやく開通したので、Debianにてrouterを構成し接続してみました。なお、プロバイダーを選ぶにあたっては、IPoE方式がそれぞれ異なるため検討したところ、IPoEでは、MAP-Eでもv6plusとocnバーチャルコネクトがあり、前者がポート数240なのに対し、後者は約4倍のポート数が使えるようなネットの情報をみて、OCNバーチャルコネクトを選択しました。(プロバイダーとしてはぷららです。なおDS-LiteはCE側でのNATではないので今回は見送りました。)そこで、OCN バーチャルコネクトをDebian(iptables)で実現するとどうなるかと思い、ネットの情報を頼りにしつつ、設定した次第です。 実際に試した結果、とりあえず通信できていますが、MAP-Eは本来マッピングルールをマップサーバから取得するはずなので、今回のやり方が正解とはいえませんし、仕様変更されると通信できなくなる可能性があります。あくまでも参考程度ですが、本稿をUPしてみました。 2023/03/16追記: こちら にゲームコンソールNAT越え(Nintendo Switch ナットタイプ A判定)対応版を投稿しました。 2023/03/28追記:※1の記述および3行無効化によりNAT越え(Nintendo Switch ナットタイプ B判定)できるようになりました。 構成は以下の通りです。 ルーターがDebianで回線がOCNバーチャルコネクトであること以外はなにも特別なところはない構成です。 さて、いきなり設定ですが、まず、割り当てられたプレフィックスを確認します。 確認は、 dhclient -6 -d -P enp2s0 とします。出力の中に 前略 RCV: | | X-- IAPREFIX 2400:4050:5c71:af00::/56 後略 このようにプレフィックスが表示されるので、その確認したプレフィックスを書き留めておきます。これを こちらで 入力します。すると、 CE: 2400:4050:5c71:af00:99:f171:c600:2f00 IPv4 アドレス: 153.241.113.198 ポート番号:(1776-1791 2800-2815 3824-3839) 4848-4863 5872-5887 6896-...