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gcc testsuitでsse4.1のテストを行う

古いmac(10.12/sierra)上でsse4.1のテストを行いたいのですが、テストコードを用意するにも手間がかかかるし抜けがあるのもこまるので、何か良い方法はないかと調べていたところ、gccにsse4.1のテストコードがふくまれているのでやってみることにしました。
まず、gccのソースを用意しビルドします。純正環境に手を加えたくないので、xcode以外にgccのビルドに必要なものは、macportsをつかい環境を整えます。
macportsは、macportsのホームページから.pkgをダウンロードしインストールすると/opt以下にインストールされます。sierra用はこちらからダウンロードしました。
gccのソースを取得し、今回こちらの環境では /Volumes/DEV-01/gcc-test にソースを展開し、gccのビルド(ビルドのみ、インストール無し)は以下のようにしました。
export PATH=/opt/local/bin:/opt/local/sbin:$PATH
sudo port install gmp mpfr mpc libmpc

mkdir -p /Volumes/DEV-01/gcc-test
cd /Volumes/DEV-01/gcc-test
curl -OL https://github.com/gcc-mirror/gcc/archive/refs/heads/master.zip
unzip -q master.zip

mkdir build && cd build

../gcc-master/configure --prefix=/opt/local --with-gmp=/opt/local --with-mpfr=/opt/local --with-mpc=/opt/local

make -j4
gcc(gcc10)のソースはmacportsから取得し、 /opt/local/source/gcc10 以下にコピー・ビルドしました。
sudo su
mkdir -p /opt/local/source/gcc-test

port -v extract gcc10
# gcc10のディレクトリ名を確認
ls $(port dir gcc10)/work
# ... gcc-10.4.0

cp -a $(port dir gcc10)/work/gcc-10.4.0 /opt/local/src/gcc-test/
cd /opt/local/src/gcc-test/gcc-10.4.0

# patch(diff file)を適用
for f in `ls $(port dir gcc10)/files|grep diff$`;do patch -p0 < $(port dir gcc10)/files/$f;done

cd /opt/local/src/gcc-test && mkdir -p build-gcc10.4.0 && cd build-gcc10.4.0

export SDKPATH=`xcrun --sdk macosx --show-sdk-path`
export LIBRARY_PATH=$SDKPATH/usr/lib
export BOOT_CFLAGS="-iframework $SDKPATH/System/Library/Frameworks/"
export CFLAGS_FOR_TARGET=$BOOT_CFLAGS
export CXXFLAGS_FOR_TARGET=$BOOT_CFLAGS

../gcc-10.4.0/configure --prefix=/opt/local --with-gmp=/opt/local --with-mpfr=/opt/local --with-mpc=/opt/local \
--with-native-system-header-dir=$SDKPATH/usr/include

time make -j4
gcc本体のビルド(インストール無し)は以上です。次にtestsuiteの実行を行います。gccのtestsuiteには tcllibとdejagnuとexpectが必要で、
sudo port install tcllib dejagnu expect

export TCL_LIBRARY=/opt/local/lib/tcl8
export DEJAGNULIBS=/opt/local/share/dejagnu
としておきます。ここまでできていれば、testsuitesの実行はできる状態になっており、sse4.1のテストコードはi386にsse4_1-なにがしというファイル名で含まれているので、
make check-c RUNTESTFLAGS="i386.exp=sse4_1-*"
とします。結果は、ビルドディレクトリのgcc/testsuite/gcc/gcc.sum に出力されます。基本的にはこれだけですが、備忘録として挙げてみました。今回は以上です。それでは。

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