スキップしてメイン コンテンツに移動

BIND9_DLZのsambaサーバにkrb5-userクライアントからnsupdateでDNSレコードを追加する

管理対象機が思ったより増え、アドレス直打ちでアクセスするのもアレなので手動で簡単にsambaのバックエンドDNS(BIND9_DLZ)に対しsamba関連パッケージを導入せずにレコードの追加できないものかと思っていたのですが、調べたところnsupdate -gだとkrb5-userパッケージだけでできそうだったので試したところあっさりと行けたので備忘録として挙げてみることにしました。
今回も環境はクライアント・サーバともにDebian 12で、サーバについては表題の通りDNSバックエンドがBIND9_DLZの物を対象にしていますが、詳細はここでは触れません。クライアントはkrb5-userパッケージ(kinit)とbind9-dnsutils(nsupdate)がインストールされていればよく、winbindやsamba関係が入っていなくても大丈夫です。
続いて設定です。bind9-dnsutilsはおそらく初めからインストールされているはずなので、dpkg -l bind9-dnsutilsとしてインストールされていることを確認するか、which nsupdateでコマンドがあるか確認してください。
次はkrb5-userパッケージです。これは初期状態ではインストールされていないので、aptなどでインストールしてください。必要なパッケージも一緒にインストールされるので大丈夫です。インストールするとデフォルトのrealmを聞いてくるので大文字で対象となるsambaサーバのドメイン名を入力します。次はdefaultのKerberos serversを聞いてくるので、sambaサーバの名前解決ができる(pingが通る)fqdnを入力してください。続いてAdministrative サーバをfqdnで入力します。これもsambaサーバの名前で大丈夫です。設定は以上です。
次は実際にDNSレコードを以下の様にして追加します。
kinit administrator@TESTDOM.MYDOMAIN.LOCAL
Password for administrator@TESTDOM.MYDOMAIN.LOCAL:
Warning: Your password will expire in 40 days on Sat Aug  3 10:54:43 2024

$ nsupdate -g
> server vsv41
> zone testdom.mydomain.local.
> update add r41.testdom.mydomain.local. 1200 AAAA fd98:1:1:41::1
> update add r41.testdom.mydomain.local. 1200 A 10.1.41.1
> send (もしくは改行のみ)
>
基本的にはこれで登録できます。なおバッチファイル的にも処理できます。
$ cat update-addrs.list
server vsv41
zone testdom.mydomain.local.
update add r41.testdom.mydomain.local. 1200 AAAA fd98:1:1:41::1
update add r41.testdom.mydomain.local. 1200 A 10.1.41.1
(改行のみ)

$ nsupdate -g update-addrs.list
正引きレコードの処理は連続できますが、続けて逆引きレコードの追加をする場合はいったん改行が必要ですので注意してください。なお更新はいったん削除してから追加することになります。
$ nsupdate -g
> server vsv41
> zone testdom.mydomain.local.
> update delete r41.testdom.mydomain.local. 
> update add r41.testdom.mydomain.local. 1200 AAAA fd98:1:1:41::1
> update add r41.testdom.mydomain.local. 1200 A 10.1.41.1
> (改行のみ)
samba-toolよりもシンプルにレコードの更新ができるので便利ですね。今回は以上です。それでは。

コメント

このブログの人気の投稿

wsdd を使ってSamba サーバをネットワークに表示

Windows 10のアップデートで、セキュリティー対応のため、smbv1がデフォルトではインストールされなくなり、Samba serverがエクスプローラーのネットワークに表示されなくなってしまいました。そこで、いくつか方法を調べたのですが、linuxでwsdの実装がないか探したところ、 https://github.com/christgau/wsdd が、見つかりましたので、さっそくインストールしてみました。まだパッケージにはないようですが、インストール自身は簡単です。wsdd自体は以下のように取得し、linkを張っておきます。 cd /usr/local/bin/ sudo wget https://raw.githubusercontent.com/christgau/wsdd/master/src/wsdd.py sudo chmod 755 wsdd.py sudo ln -sf wsdd.py wsdd こちらのsambaサーバはDebianなので、/etc/systemd/system/wsdd.serviceは以下のようにしました。 [Unit] Description=Web Services Dynamic Discovery host daemon Requires=network-online.target After=network.target network-online.target multi-user.target [Service] Type=simple ExecStart=/usr/local/bin/wsdd -d MYDOMAIN [Install] WantedBy=multi-user.target wsdd -d MYDOMAINのところを、環境にあわせて書き換えてください。 次に、systemdに登録・起動テストを行います。 systemctl enable wsdd systemctl start wsdd 起動に成功すると、エクスプローラーのネットワークに表示されます。  なおこのwsddはpython3が必要です。一度試してみてください。SMBv1/CIFSを停止していても、大丈夫です。 cで書かれたほかのwsddの実装もあるようなので、いずれパッケージになるかも...

Windows デバイス暗号化 のサポートで "許可されていない dma 対応バス/デバイスが検出されました"の対処

Windows でセキュリティー関係を見ているのですが、とあるPCでmsinfo32で確認すると"デバイス暗号化のサポート"で"許可されていない dma 対応バス/デバイスが検出されました"と出ていました。このPCの場合、それ以外はOK(なにも表示されない)だったのですが、ネットでしらべるとMSのドキュメントではハードウェアベンダーに問い合わせるなどと敷居が高く具体的にどこが引っかかっているかわかりません。そこでほかに方法はないかとしらべやってみたところ、"前提条件をみたしています"まで持って行けたので、本稿を挙げた次第です。 具体的には、以下のようにします。 1-a. 許可するDMA対応バス・デバイスを指定するレジストリの所有権と書き込み設定をおこなう。 以下のレジストリキーの所有者を自分自身(管理ユーザ)のものにし、フルコントロール権を付与する。 HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\DmaSecurity\AllowedBuses もしくは 1-b. MicrosoftよりPsExecをダウンロードし、System権限でRegeditを立ち上げ編集する。 Microsoftより、https://docs.microsoft.com/en-us/sysinternals/downloads/psexec にある こちら をダウンロードし、解凍する。解凍すると、x64の場合、PsExec64.exeがあるので、管理者権限で以下を実行し、システム権限でregeditを立ち上げることが出来るようになる。 cd Downloads\PSTools .\PsExec64.exe -sid C:\Windows\regedit.exe 2-a. パワーシェルスクリプトを実行し、PnPデバイスのうちインスタンスがPCIで始まるものを"AllowedBuses"に追加する。 以下のパワーシェルスクリプトを作成する。たとえばDocuments\allow-dma-bus-device.ps1として作成する。( こちらの記事のものを使用させていただきました: Thank you! ) $tmpfile = "$($env:T...

フレッツ光クロス:MAP-E ROUTER by Debian Box (iptables)

フレッツ光クロスがようやく開通したので、Debianにてrouterを構成し接続してみました。なお、プロバイダーを選ぶにあたっては、IPoE方式がそれぞれ異なるため検討したところ、IPoEでは、MAP-Eでもv6plusとocnバーチャルコネクトがあり、前者がポート数240なのに対し、後者は約4倍のポート数が使えるようなネットの情報をみて、OCNバーチャルコネクトを選択しました。(プロバイダーとしてはぷららです。なおDS-LiteはCE側でのNATではないので今回は見送りました。)そこで、OCN バーチャルコネクトをDebian(iptables)で実現するとどうなるかと思い、ネットの情報を頼りにしつつ、設定した次第です。 実際に試した結果、とりあえず通信できていますが、MAP-Eは本来マッピングルールをマップサーバから取得するはずなので、今回のやり方が正解とはいえませんし、仕様変更されると通信できなくなる可能性があります。あくまでも参考程度ですが、本稿をUPしてみました。 2023/03/16追記: こちら にゲームコンソールNAT越え(Nintendo Switch ナットタイプ A判定)対応版を投稿しました。 2023/03/28追記:※1の記述および3行無効化によりNAT越え(Nintendo Switch ナットタイプ B判定)できるようになりました。 構成は以下の通りです。 ルーターがDebianで回線がOCNバーチャルコネクトであること以外はなにも特別なところはない構成です。 さて、いきなり設定ですが、まず、割り当てられたプレフィックスを確認します。 確認は、 dhclient -6 -d -P enp2s0 とします。出力の中に 前略 RCV: | | X-- IAPREFIX 2400:4050:5c71:af00::/56 後略 このようにプレフィックスが表示されるので、その確認したプレフィックスを書き留めておきます。これを こちらで 入力します。すると、 CE: 2400:4050:5c71:af00:99:f171:c600:2f00 IPv4 アドレス: 153.241.113.198 ポート番号:(1776-1791 2800-2815 3824-3839) 4848-4863 5872-5887 6896-...