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kea-dhcp-ddns-serverにてipv4/ipv6アドレスとクライアント側で保存したホスト名をbind9に自動登録(正引きのみ)

表題が分かりにくくて申し訳ないのですが、要するにkeaとbind9でのddnsで、kea-dhcpが生成したホスト名ではなく、クライアントのインストール時またはインストール後に指定・登録したホスト名をbind9に正引きのみ登録するという事です。
例えば、Debian 12の場合、インストール時にdhcpでkeaからアドレスをもらうと、ホスト名については、初めはkeaから生成されたホスト名が入ります。これを上書きしてホスト名をクライアント側で登録しておくと、インストール終了後、再起動した後は、この上書き登録したホスト名でbindに登録されるという事です。
このため、クライアントがipv4/ipv6を取得・bindへホスト名・アドレスを登録するにあたり、今回は検証目的のため設定が楽なdhcpcdを使いました。(2024/06/28追記:クライアントがNeworkManagerの場合についてはこちらを参考にして下さい。)
なお環境はサーバ・クライアント共にDebian 12です。
まずは、クライアントの設定です。先に、dhcpcdをインストールしてisc-dhcp-clientは削除します。具体的には以下の様にします。
apt-get install dhcpcd
dpkg -P isc-dhcp-client
つづいて/etc/dhcpcd.confの作成をします。インストール時のdefaultの/etc/dhcpcd.confを保存し、以下の様にします。(2024/06/28:/etc/resolv.confが暫くすると空になる為修正)
cd /etc
cp -a dhcpcd.conf dhcpcd.conf.orig
cat <<EOF > dhcpcd.conf
hostname
noipv6rs
clientid
duid ll
persistent
option domain_name_servers, domain_name, domain_search
noipv4ll

interface eth0
  ipv6rs
  ipv6ra_noautoconf
  iaid 1
  ia_na 1 eth0
EOF
hostnameはクライアントのホスト名を"dhcp経由でクライアント側から送る"設定です。option host_nameとすると、"dhcpでホスト名を付けてもらう"設定になるので今回は入れていません。ipv6ra_noautoconfはraでIPv6アドレスを構成しない設定です。iaid 1とia_na 1 eth0 でdhcpv6経由にてeth0にアドレスを割り振るという設定です。その他の設定は特に難しいものはないので、dhcpcd.conf.origやマニュアルを参考にしてみてください。クライアントの設定は以上です。
続いてサーバです。凡そ以下の様になります。
1. bind9サーバ上でtsig keyの作成とパーミッションの変更および確認(後でコピペします。またalogorithmは任意に変えても構いません。)
cd /etc/bind
tsig-keygen dom.myadomain.local > dom.myadomain.local.key
chown root:bind dom.myadomain.local.key
chmod 640 dom.myadomain.local.key
cat dom.myadomain.local.key

key "dom.myadomain.local" {
        algorithm hmac-sha256;
        secret "Waxd3wPTW8JUcre+7VkuxnPaPpXH2fLMmX813OhZEZk=";
};
2. bind9 サーバ上で生成したkeyをincludeさせ、bindを再起動
$ sudo vi /etc/bind/dom.mydomain.local

include "/etc/bind/dom.mydomain.local.key";

zone "dom.myadomain.local" {
        type master;
        file "/var/lib/bind/dom.mydomain.local";
        allow-update {
                10.0.0.0/8;
                key "dom.mydomain.local";
        };
};

$ sudo systemctl restart bind9
3. keaサーバ上で tsig-keys.json を作成(先程のalgorithmとsecretをコピペ)およびパーミッションの変更
cd /etc/kea
cat <<EOF > tsig-keys.json
"tsig-keys": [
    {
        "name": "dom.mydomain.local",
        "algorithm": "hmac-sha256",
        "secret": "Waxd3wPTW8JUcre+7VkuxnPaPpXH2fLMmX813OhZEZk="
    },
],
EOF

chown _kea:root tsig-keys.json
chmod 640 tsig-keys.json
4. keaサーバ上で /etc/kea-dhcp4.confを修正
{
"Dhcp4": {

    "dhcp-ddns": {
        "enable-updates": true
    },

    "ddns-qualifying-suffix": "dom.mydomain.local.",
    "ddns-generated-prefix": "dynamic",
    "ddns-replace-client-name": "when-not-present",
    "ddns-send-updates": true,
    "ddns-update-on-renew": false,
    "ddns-override-client-update": true,
    "ddns-override-no-update": true,
// -- 以下省略
5. keaサーバ上で /etc/kea-dhcp6.confを修正
"Dhcp6": {

    "dhcp-ddns": {
        "enable-updates": true
    },

    "ddns-qualifying-suffix": "dom.mydomain.local.",
    "ddns-generated-prefix": "dynamic",
    "ddns-replace-client-name": "when-not-present",
    "ddns-send-updates": true,
    "ddns-update-on-renew": false,
    "ddns-override-client-update": true,
    "ddns-override-no-update": true,
// -- 以下省略

6. keaサーバ上で /etc/kea/kea-dhcp-ddns.confの作成
#/etc/kea/kea-dhcp-ddns.conf

{
"DhcpDdns":
{
  "ip-address": "127.0.0.1",
  "port": 53001,
  "control-socket": {
      "socket-type": "unix",
      "socket-name": "/run/kea/kea-ddns-ctrl-socket"
  },

  

  "forward-ddns" : {
      "ddns-domains" : [
          {
               "name": "dom.myadomain.local.",
               "key-name": "dom.myadomain.local",
               "dns-servers": [
                   { "ip-address": "fd98:1:1::66" }
               ]
          }
      ]
  },

  "loggers": [
    {
        "name": "kea-dhcp-ddns",
        "output_options": [
            {
                "output": "stdout",
                "pattern": "%-5p %m\n"
            }
        ],
        "severity": "DEBUG",
        "debuglevel": 99
    }
  ]
}
}
ここで指定するのは、ddns-domains []内ですが、nameはドメイン名に"."を付けたものにする必要がありました。
7. keaサーバ群の再起動
systemctl restart kea-dhcp4-server
systemctl restart kea-dhcp6-server
systemctl restart kea-dhcp-ddns-server
正常に設定が出来ていると、クライアントの起動後に、以下の様にレコードが登録されます。
$TTL 1200       ; 20 minutes
vm41-1                  A       10.1.40.120
$TTL 1333       ; 22 minutes 13 seconds
                        AAAA    fd98:1:1:40::2001
                        DHCID   ( AAIBZe2SYznOMYkZ5vQruNMvSJ4zLjkzqHjXi4TtSwLy
                                2ok= ) ; 2 1 32
なお、Debianクライアントのインストール時に、一時的にhost名が生成されるのですが、ゾーンファイル上に残ってしまうので、クリーンアップするとよいかもしれません。(例としてbind9上で実行し、ゾーンファイルが/var/lib/bind/dom.mydomain.localの場合)
#!/bin/bash
cd /etc/bind

NL="
"
list=
DNS=sv66
ZONE=dom.mydomain.local
CL_PREFIX=dynamic

list="server $DNS
zone $ZONE."
for host in `grep -r $CL_PREFIX /var/lib/bind/$ZONE | awk '{print $1}'`; do
        list="${list}update delete $host.$ZONE.$NL"
done
list="${list}$NL"
echo "$list" | nsupdate -k $ZONE.key
今回は以上です。それでは。

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