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フルルートをもつサーバ上で kvm guestが ipv6 で通信できるようにする

フルルートを持っているサーバー上で、kvm guestを構成し、virsh net-edit default で ipv6設定を入れたところ、 ルートをチェックしている様子で、フルルートのため時間がかかりすぎてタイムアウトし、 virsh net-start default が正常に起動できませんでした。
virsh net-edit default
--snip
  <ip family='ipv6' address='fd98:1:1:86::1' prefix='64'>
  </ip>
--snip

virsh net-start default
error: Failed to start network default
error: internal error: Unable to read /proc/net/ipv6_route for ipv6 forwarding checks
調べたのですが環境が稀有なためか有効な方法は見つかりませんでした。そこで、ipv6の記述を削除し、新たに/etc/libvirt/hooks/networkに必要な記述を入れるなどすることで、kvm guest が ipv6 で通信できるようになったので、まとめておくことにしました。
# vm ホスト : /etc/libvirt/hooks/network
#!/bin/bash

if [ "$1" = "default" -a "$2" = "started" ];then
  sudo echo 0 > /proc/sys/net/ipv6/conf/virbr0/disable_ipv6
  sudo ip -6 addr add fd98:1:1:86::1/64 dev virbr0
  sudo systemctl restart radvd

  sudo ip6tables -t filter -D LIBVIRT_FWI -o virbr0 -j REJECT --reject-with icmp6-port-unreachable
  sudo ip6tables -t filter -D LIBVIRT_FWO -i virbr0 -j REJECT --reject-with icmp6-port-unreachable

  sudo echo 76     virbr0 >> /etc/iproute2/rt_tables
  sudo ip -6 rule add from all to fd98:1:1:86::/64 tab virbr0 priority 76
  sudo ip -6 rule add to all from fd98:1:1:86::/64 tab virbr0 priority 76
  sudo ip -6 route add to fd98:1:1:86::/64 dev virbr0 tab virbr0
  sudo ip -6 route add to default via fd98:1:1::23 dev enp2s0 tab virbr0
fi


if [ "$1" = "default" -a "$2" = "stopped" ];then
  sudo systemctl stop radvd
  sudo ip -6 route del to fd98:1:1:86::/64 dev virbr0 tab virbr0
  sudo ip -6 route del to default via fd98:1:1::23 dev enp2s0 tab virbr0
  sudo ip -6 rule del from all to fd98:1:1:86::/64 tab virbr0 priority 76
  sudo ip -6 rule del to all from fd98:1:1:86::/64 tab virbr0 priority 76
  sudo sed -i '/virbr0/d' /etc/iproute2/rt_tables
fi

exit 0
編集が済んだら、ホストを再起動してください。なお sudo ですがこれがないと処理ができませんでした。手順としては最初はipv6を有効にします。続いて radvdを起動させます。/etc/radvd.confは以下のようにしてみました。
interface virbr0 {
#  AdvManagedFlag on;
#  AdvOtherConfigFlag on;
  AdvSendAdvert on;
  MaxRtrAdvInterval 180;
#  AdvLinkMTU 9000;

  prefix fd98:1:1:86::/64 {
  };

  RDNSS fd98:1:1::64 fd98:1:1::65 {
  };

#  AdvRASrcAddress {
#    fe80::1;
#  };
};
次はファイアーウォールを一部無効にします。続いてミニマムなポリシーベースルーティングを設定し、fd98:1:1:86::/64の通信は インターネットルータであるfd98:1:1::23を経由して通信するようにしています。network started時は以上です。
つづいて、network stopped時ですが、他の処理は自動で行われるのでradvdの停止とミニマムなポリシーベースルーティングを削除しています。
最後にexit 0を入れておきます。libvirt hooks では0で終了しないと異常終了とみなされるので入れています。
なお、インターネットルータではスタティックルートを設定しておきます。
# インターネットルータ
iface enp1s0f0 inet6 static
  address fd98:1:1::23
  netmask 56
  post-up ip -6 route add fd98:1:1:86::/64 via fd98:1:1::106
フルルートを持たない通常の環境では、このような手順を踏む必要はないのですが、備忘録として挙げてみました。今回は以上です。それでは。

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