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Android TV Box X96Q Pro Plus にて a527 向けBSP 5.15カーネルを使いDebianのGNOMEをWaylandで実行:その2

表題の手順についてまとめておくことにしました。まず最初に、radxa社の cubie_a5e向けの tina(allwinner linux sdk)をダウンロードし、こちらの設定ファイルを解凍し、以下の手順でPhenixCard(allwinner向けのイメージ書き込みツール、Windows用)でSDカードに書き込むことができるイメージができます。
cubie a5e 向けのradxa社のtina linux sdk (約18GB)はこちらからダウンロードできますが、megaは5ギガ毎に無料転送枠が設定されているので全部で20時間ほど4回に渡って転送を再開させるとダウンロードが完了します。
ダウンロードが終わったらビルドマシン(Linux amd64機)で以下のようにします。
sudo mkdir -p /usr/src/h728/radxa/tina.radxa/repo
sudo chown -R user1000 /usr/src/h728
cd /usr/src/h728/radxa/tina.radxa

#ここにダウロードしたタール玉をコピー
#コピーしたら以下のようにして解凍
cd repo
tar xzvpf ../t527_tina5.0_aiot_sdk.repo.tar.gz
#解凍が済んだら以下のようにしてソースを展開および取得

sudo apt -y install repo git
repo sync -l

mv target/a527 target/a527.tina.orig
git clone https://github.com/radxa/allwinner-target -b target-a527-v1.4.6 target/a527
mv device/config/chips/a527 device/config/chips/a527.tina.orig
git clone https://github.com/radxa/allwinner-device -b device-a527-v1.4.6 device/config/chips/a527 
mv bsp bsp.tina.orig
git clone https://github.com/radxa/allwinner-bsp -b cubie-aiot-v1.4.6 bsp
mv kernel/linux-5.15 kernel/linux-5.15.tina.orig
git clone https://github.com/radxa/kernel -b allwinner-aiot-linux-5.15 kernel/linux-5.15
mv brandy/brandy-2.0/u-boot-2018 brandy/brandy-2.0/u-boot-2018.tina.orig
git clone https://github.com/radxa/u-boot -b cubie-aiot-v1.4.6 brandy/brandy-2.0/u-boot-2018

同期がすんだら、こちらから 本機向けのビルド設定ファイル類をダウンロードし、以下のようにして解凍します。
cd /usr/src/h728/radxa/tina.radxa/repo/device/config/chips/a527/configs/
#ダウンロードした設定ファイル類をここで解凍
tar xzpf ~/Donwload/diana.tar.gz
続いてビルド機で必要パッケージをインストールします。
sudo apt update
sudo apt install build-essential subversion git-core libncurses5-dev zlib1g-dev gawk flex quilt libssl-dev xsltproc libxml-parser-perl mercurial bzr ecj cvs unzip lib32z1 lib32z1-dev lib32stdc++6 libstdc++6 lib32ncurses-dev lib32z1 ncurses-term bison libexpat-dev cpio busybox -y
つづいてコンフィグを行います。
cd /usr/src/h728/radxa/tina.radxa/repo
./build.sh config
========ACTION List: mk_config ;========
options : 
All available platform:
   0. android
   1. linux
Choice [linux]: 1
All available linux_dev:
   0. bsp
   1. dragonboard
   2. buildroot
   3. debian
Choice [debian]: 3
All available kern_name:
   0. linux-5.10
   1. linux-5.15.tina.orig
   2. linux-5.15
Choice [linux-5.15]: 2
All available ic:
   0. a523
   1. a527.tina.orig
   2. a527
   3. t527
Choice [a527]: 2
All available board:
   0. cubie_a5e
   1. d10_linux_aiot
   2. demo_linux_aiot
   3. diana
   4. pro2_linux_aiot
Choice [diana]: 3
All available flash:
   0. default
   1. nor
Choice [default]: 0
All available rootfs files:
   0. linaro-bullseye-gnome-arm64.tar.gz
   1. linaro-bullseye-lite-arm64.tar.gz
   2. linaro-bullseye-lxde-arm64.tar.gz
   3. linaro-bullseye-xfce-arm64.tar.gz
Choice [linaro-bullseye-gnome-arm64.tar.gz]: 0
コンフィグが済んだら、ビルドします。
./build.sh
ビルドが済んだら、イメージを作成します。
./build.sh pack
(省略)
3.7G	/usr/src/h728/radxa/tina.radxa/repo/out/a527_linux_diana_uart0.img

pack finish
このイメージをWindowsパソコンに転送しておきます。つづいて以下のようにリナックス機でマイクロSDカードを消去します。
# (USBカードリーダがsdcの場合)
sudo dd if=/dev/zero of=/dev/sdc bs=1024k count=64
消去したSDカードをUSBカードリーダを使ってWindows機に差し込みます。Windows機に差し込んだらフォーマットするか聞いてくるのですが、ここはキャンセルし、つづいてメッセージがでるのでOKをクリックして無視します。そうするとPhoenixCardで"Work Type"が選択できるようになるので、"Start up"を選択し、"Burn"をクリックし書き込みを開始します。 書き込みには手元のカードの場合8分程度かかりましたが、書き込みが完了したら、Burn End, No Driveというメッセージが表示されるとOKです。書き込みが済んだら、今一度リナックス機にもどり、ブートローダの書き込みを行います。
sudo dd if=boot0_sdcard.fex of=/dev/sdc bs=1024 seek=8
続いて、パーティションの拡大を以前の投稿のようにして行います。
これでブート可能なsdカードは作成できたので、USBカードリーダを取り外して本機にマイクロSDカードを差し込み電源を入れます。しばらくするとrootでgnomeにオートログインするのですが、英語環境を日本語環境およびアップグレードを以下のようにして行います。
1.ipアドレスをTerminalで確認してsshで接続し sudo su できるようにしておく
(キーボードが英語なのではじめは簡単なパスワードにしておいてあとで変更すると良いでしょう)

1a. ターミナルで ip アドレスを確認
ip a
--snip
inet 10.1.1.186/24 brd 10.1.1.255 scope global dynamic noprefixroute eth0
--snip

1b. ユーザを追加
deluser guest
adduser user1000 --uid 1000
usermod -aG audio user1000
usermod -aG pulse user1000
usermod -aG render user1000
usermod -aG video user1000

1c. 
/etc/sudoersを編集し以下を追加

user1000    ALL=(ALL:ALL) NOPASSWD: ALL

2. 他の端末から ssh で接続
ssh -l user1000 10.1.1.186

3. GUIでの環境が英語なので日本語を使えるようにする。

3a. 日本語フォントをターミナルで先に入れておく
sudo apt-get install fonts-vlgothic

3b. locale を日本語にするためにターミナルで以下を実行
sudo dpkg-reconfigure locales

3b1 ja_JP.UTF-8 を選択

3b2 デフォルトロケールに ja_JP.UTF-8を選択

4a. パワーセーブモードに変更できるようにしておく
nano /home/user1000/powersave.sh

echo powersave | sudo tee /sys/devices/system/cpu/cpu*/cpufreq/scaling_governor

#確認
sh powersave.sh

3b3 sudo reboot


4. 再起動後は日本語表示になるので、端末でパワーセーブにしてから、アクティビティー > 設定 ( 歯車アイコン)で日本語を設定
4a 地域と言語を選択
4b 入力ソースの”+”マークをクリック
4c 入力ソースを追加と出るので日本語をクリックしてから追加ボタンをクリック
4d 入力ソースから英語(US)を削除する(バツマークをクリック)

5. bullseye から bookworm へ dist-upgrade(sshで)

5a apt sources を変更(sshで)
sudo vi /etc/apt/sources.list
:%s,mirrors.ustc.edu.cn,ftp.riken.jp/Linux/debian,g
:%s,stable,bullseye,g
:%s,bullseye,bookworm,g
:%s,non-free,non-free-firmware,g
:w!
:q!

5b アップグレードを実行(sshで)
sudo apt update
sudo apt dist-upgrade

# 途中で設定を何度か訪ねてくるので設定変更しない方向で適切に答えて下さい(デーモンの自動再起動は許可でOKです。)
>> Start Iperf3 as a daemon automatically? いいえ
>> パッケージのアップグレード中、質問することなくサービスを再起動します はい
>> *** system.conf (Y/I/N/O/D/Z) [デフォルト=N] ?  (エンターキー)
>> ** sudoers (Y/I/N/O/D/Z) [デフォルト=N] ? (エンターキー)

# アップグレードが済んだら
sudo reboot

# /etc/gdm3/daemon.confを管理者権限で編集

sudo vi /etc/gdm3/daemon.conf

AutomaticLoginEnable = false
AutomaticLogin = user1000

# /etc/gdm3/custom.conf
WaylandEnable=true

# rfkill 関連のメッセージを抑えるため、以下を実行
sudo dpkg -P blueman

# gdmを再起動
sudo systemctl restart gdm3



#ターミナルで(sshでもOK)
sudo apt-get install chromium-l10n

sudo apt-get install --reinstall pulseaudio

# パルスオーディオを起動できるようにする(ユーザ権限で)
systemctl unmask --user pulseaudio
systemctl enable --user pulseaudio
systemctl start --user pulseaudio
echo systemctl --user start pulseaudio > ~/.profile

mkdir -p ~/.pulse
touch ~/.pulse/

#ここで再起動し再度ログインしてスピーカアイコンが右上に出ていることを確認

# chromium の検索エンジンをGoogleに変える場合
三点アイコン(右上)>>設定>三横棒アイコン>検索エンジン

# "検索エンジンとサイト内検索を管理する" をクリック
# サイト内検索で”追加”をクリック
名前 : Google
ショートカット : google.com
URL: {google:baseURL}search?q=%s&{google:RLZ}{google:originalQueryForSuggestion}{google:assistedQueryStats}{google:searchFieldtrialParameter}{google:language}{google:prefetchSource}{google:searchClient}{google:sourceId}{google:contextualSearchVersion}ie={inputEncoding}
# 入力がすんだら”追加”をクリックして追加

サイト内検索にGoole が追加されるので、右側の三点アイコンをクリックし、”デフォルトに設定”をクリック

# 日本語入力の例
fcitx5-mozcの場合
sudo apt-get install fcitx5-mozc im-config

im-config
>> OK
>> 明示的にユーザー設定を選択しますか? はい
fcutx5をクリックしてOKをクリック
最後にOKをクリック

# 一旦ログアウトし再度ログイン
# terminalなどを起動し、ctrl + spaceで日本語入力ができることを確認
動画についてはデコーダを使っているわけではないので、あまりスムースではありませんが、パワーセーブを行うことで安定してブラウザで視聴はできました。他にも改善すべき点は色々あるのですが、とりあえず本稿をあげてみました。今回は以上です。それでは。

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