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NuttX: STM32F411CE Black Pill 向けにソースをフォーク

前回はSTM32F103RC向けのソースフォークをしたのですが、今回はSTM32F411CEBlackPill向けのフォークについてです。もともとboards/arm/stm32/stm32f411-minimumというソースがありますが、2021/03現在、RCCの設定がうまくいっていないようで、USBを使ったサンプルはなく、nsh(シリアルコンソール)しかサンプルが入っていません。そこで、STM32F103RC向けのフォークと同様に、ソースをフォークしてみました。 基本的には前回とおなじやり方なのですが、USB関係を動かすためには、RCCの設定(include/board.h)を修正する必要がありますので、今回はそこだけですが、UPしておきます。
$ diff -urN boards/arm/stm32/stm32f411-minimum/include/board.h boards/arm/stm32/weact-f411ce/include/board.h
--- boards/arm/stm32/stm32f411-minimum/include/board.h  2021-03-16 23:33:19.400000000 +0900
+++ boards/arm/stm32/weact-f411ce/include/board.h       2021-03-17 00:21:58.290000000 +0900
@@ -1,5 +1,5 @@
 /****************************************************************************
- * boards/arm/stm32/stm32f411-minimum/include/board.h
+ * boards/arm/stm32/weact-f411ce/include/board.h
  *
  * Licensed to the Apache Software Foundation (ASF) under one or more
  * contributor license agreements.  See the NOTICE file distributed with
@@ -18,8 +18,8 @@
  *
  ****************************************************************************/

-#ifndef __BOARDS_ARM_STM32_STM32F411_MINIMUM_INCLUDE_BOARD_H
-#define __BOARDS_ARM_STM32_STM32F411_MINIMUM_INCLUDE_BOARD_H
+#ifndef __BOARDS_ARM_STM32_WEACT_F411CE_INCLUDE_BOARD_H
+#define __BOARDS_ARM_STM32_WEACT_F411CE_INCLUDE_BOARD_H

 /****************************************************************************
  * Included Files
@@ -42,13 +42,13 @@
  *   SYSCLK(Hz)                    : 96000000     Determined by PLL config
  *   HCLK(Hz)                      : 96000000     (STM32_RCC_CFGR_HPRE)
  *   AHB Prescaler                 : 1            (STM32_RCC_CFGR_HPRE)
- *   APB1 Prescaler                : 4            (STM32_RCC_CFGR_PPRE1)
- *   APB2 Prescaler                : 2            (STM32_RCC_CFGR_PPRE2)
+ *   APB1 Prescaler                : 2            (STM32_RCC_CFGR_PPRE1)
+ *   APB2 Prescaler                : 1            (STM32_RCC_CFGR_PPRE2)
  *   HSI Frequency(Hz)             : 16000000     (nominal)
- *   PLLM                          : 4            (STM32_PLLCFG_PLLM)
+ *   PLLM                          : 25           (STM32_PLLCFG_PLLM)
  *   PLLN                          : 192          (STM32_PLLCFG_PLLN)
- *   PLLP                          : 4            (STM32_PLLCFG_PLLP)
- *   PLLQ                          : 8            (STM32_PLLCFG_PPQ)
+ *   PLLP                          : 2            (STM32_PLLCFG_PLLP)
+ *   PLLQ                          : 4            (STM32_PLLCFG_PPQ)
  *   Flash Latency(WS)             : 3
  *   Prefetch Buffer               : OFF
  *   Instruction cache             : ON
@@ -132,16 +132,16 @@

 /* APB2 clock (PCLK2) is HCLK (96MHz) */

-#define STM32_RCC_CFGR_PPRE2    RCC_CFGR_PPRE2_HCLK       /* PCLK2 = HCLK */
+#define STM32_RCC_CFGR_PPRE2    RCC_CFGR_PPRE2_HCLK       /* PCLK2 = HCLK / 1 */
 #define STM32_PCLK2_FREQUENCY   STM32_HCLK_FREQUENCY

-/* Timers driven from APB2 will be twice PCLK2 */
+/* Timers driven from APB2 will be PCLK2 */

-#define STM32_APB2_TIM1_CLKIN   (STM32_PCLK2_FREQUENCY)
-#define STM32_APB2_TIM8_CLKIN   (STM32_PCLK2_FREQUENCY)
-#define STM32_APB2_TIM9_CLKIN   (2*STM32_PCLK1_FREQUENCY)
-#define STM32_APB2_TIM10_CLKIN  (2*STM32_PCLK1_FREQUENCY)
-#define STM32_APB2_TIM11_CLKIN  (2*STM32_PCLK1_FREQUENCY)
+#define STM32_APB2_TIM1_CLKIN   STM32_PCLK2_FREQUENCY
+#define STM32_APB2_TIM8_CLKIN   STM32_PCLK2_FREQUENCY
+#define STM32_APB2_TIM9_CLKIN   STM32_PCLK2_FREQUENCY
+#define STM32_APB2_TIM10_CLKIN  STM32_PCLK2_FREQUENCY
+#define STM32_APB2_TIM11_CLKIN  STM32_PCLK2_FREQUENCY

 /* Timer Frequencies, if APBx is set to 1, frequency is same to APBx
  * otherwise frequency is 2xAPBx.
@@ -150,14 +150,14 @@

 /* REVISIT */

-#define BOARD_TIM1_FREQUENCY    STM32_PCLK2_FREQUENCY
+#define BOARD_TIM1_FREQUENCY    (1 * STM32_PCLK2_FREQUENCY)
 #define BOARD_TIM2_FREQUENCY    (2 * STM32_PCLK1_FREQUENCY)
 #define BOARD_TIM3_FREQUENCY    (2 * STM32_PCLK1_FREQUENCY)
 #define BOARD_TIM4_FREQUENCY    (2 * STM32_PCLK1_FREQUENCY)
 #define BOARD_TIM5_FREQUENCY    (2 * STM32_PCLK1_FREQUENCY)
 #define BOARD_TIM6_FREQUENCY    (2 * STM32_PCLK1_FREQUENCY)
 #define BOARD_TIM7_FREQUENCY    (2 * STM32_PCLK1_FREQUENCY)
-#define BOARD_TIM8_FREQUENCY    STM32_PCLK2_FREQUENCY
+#define BOARD_TIM8_FREQUENCY    (1 * STM32_PCLK2_FREQUENCY)

 /* SDIO dividers.  Note that slower clocking is required when DMA is disabled
  * in order to avoid RX overrun/TX underrun errors due to delayed responses
@@ -328,4 +328,4 @@

 #define BUTTON_USER_BIT    (1 << BUTTON_USER)

-#endif /* __BOARDS_ARM_STM32_STM32F411_MINIMUM_INCLUDE_BOARD_H */
+#endif /* __BOARDS_ARM_STM32_WEACT_F411CE_INCLUDE_BOARD_H */
diffを見ていただければわかると思いますが、フォーク名はweact-f411ce/WEACT_F411CEにしています。なお、USBを使うことを前提にしているため、メインクロックは最大で96MHzになります。あとは、前回と同じ要領で編集すれば、STM32F4 Black Pill向けのソースフォークは7・8割方ほどできているということになります。なお、nsh, usbnsh, rndis, w25(spi flash)の動作確認をしています(SDIOの動作確認はしていません。)
今回は以上です。それでは。

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